車は購入してから数年が経過すると、夏場のエアコンから生臭いにおいが発生し始めます。
その原因はエバポレーターと呼ばれるアルミ製の熱交換器に付着したカビです。
実際に試してみると分かるのですが、このカーエアコンのカビ臭はカー用品店などに売られているような消臭剤などでは完全にその臭いを消すことはできません・・・。
カーエアコンから出てくるにおいを完全に消すためには、エバポレーターについたカビを取り除く必要があり、クリーニングを業者に依頼すると5,000~10,000円の費用がかかってしまいます。
ただ、DIYがある程度得意な人であれば、ルームエアコン用の洗浄スプレーなどを使って自分でエバポレーター洗浄を行うことも可能です。
そこで今回は、自分でカーエアコンのエバポレーターを洗浄して、気になるカビのにおいを消臭する方法についてお話していきます。
車のエバポレーター洗浄に必要なもの
まずはじめに、車のエバポレーター洗浄に必要なものについてお話してい行きます。
エアコン洗浄スプレー
車のエバポレーターの汚れ落としには、ホームセンターなどで購入(約400円)できる家庭用エアコンの洗浄スプレーを代用していきます。
柄の長いブラシ(歯ブラシ+割り箸)
エバポレーターの前面側(入口側)には、ホコリやカビが頑固に付着しているため、上記の洗浄スプレーだけではうまく汚れを落とせないことがあります。
私が愛用しているのは歯ブラシに割り箸をテープで固定したもので、これを使えばホコリなどの繊維汚れ(カビが生える原因)までキレイに取り除くことができます。
水差し
エバポレーター洗浄のコツは、洗浄スプレーやブラシを使って汚れを落とした後に大量の水で落ちた汚れを社外に洗い流すことです。
植物などに水をあげる時に使う水差しなどがあると便利だと思います。
プラスドライバー
エアコンのエバポレーターを洗浄するためには、車の内装部品を取り除く必要があり、プラスドライバーなども必要になることがあります。
エバポレーターの具体的な洗浄方法
ここからは、具体的なエバポレーターの洗浄方法についてお話していきます。
車の内装を取り外す
まずはじめに、エバポレーターが見えるようになるまで車の内装を取り外していきましょう。
ほとんどの車種では、エアコンフィルターを取り外せば、その奥あたりにエバポレーターが配置されています。
なお、今回の場合、以下のような手順で内装を外していきました。
はじめにグローブボックスを取り外します。
次に、プラスドライバーを使って内装パネルや金属製の補強パーツを取り外します。
するとこのような感じで、グローブボックスの奥にあるエアコンシステムが見えてきます。
ここで、中央にある白色のパーツがエアコンフィルターの蓋になっているので、それを取り外していきます。
その奥にあるエアコンフィルターも引き抜いていきましょう。
するとその奥に今回の目的となるアルミ製のエバポレーターが見えてきました。
私は車検のタイミングでエバポレーター洗浄を行うので、この熱交換器に付いた汚れは2年分ということになりますが、エバポレーターの下側の奥の方(下図の赤丸で示した部分)にカビ汚れが溜まっていることが分かります。
もう何年もエアコン洗浄していない車の場合、エバポレーター全体が真っ黒になってしまっていることもあります。
エバポレーターを洗浄する
ここからは、エアコン洗浄スプレーとブラシを使って、エバポレーターについた汚れを落としていきます。
まず、エアコン洗浄スプレーをエバポレーター全体にたっぷりと吹きかけていきましょう。
そして、ブラシを使ってエバポレーターの全面についているホコリを取り除いていきます。
ブラシでホコリを擦り取ったら、また洗浄スプレーを噴射という流れで、洗浄液がなくなるまで繰り返していきましょう。
この段階で、車外にはドレン配管(エアコンで発生する露を車外に排出するためのもの、元々車に設置されている部品)から、このような感じの廃液が排出されています。
元々の洗浄液は無色透明なのですが、廃液は茶色く濁っていて、よく観察してみると細かなカビ汚れがたくさん浮いています。
多くの場合、「これでエバポレーター洗浄は完了!」と思ってしまいがちなのですが、次に紹介するすすぎ工程もぜひ行なってあげましょう。
汚れをすすぐ
ここからは、汚れをすすぐ工程です。
先程までの作業で、エバポレーターの下部にあるドレンパン(露受け皿)にたくさんの汚れが溜まってしまっています。
水差しなどを使って大量の水で車外に排出していきましょう。
だいたい1Lぐらいの水を流してやると、ドレンパンに溜まった汚れの塊を洗い流すことができると思います。
このすすぎ工程をやっておかないと、またすぐに蒸発皿に溜まった汚れにカビが生えてしまい、一旦はおさまったニオイがまた発生してしまいます。
エバポレーター洗浄の消臭効果を長続きさせるためにも、ぜひキレイに汚れをすすいでおいてください。
後は、もと通りに組み立てていけばエバポレーター洗浄は完了です。
ちなみに、カーエアコンフィルターは汚れきって空気が流れないレベルでなければ、竹串などで底に溜まったホコリを掻き出し、パンパンと叩いておけば再利用可能です。
ただし、車内でタバコを吸う場合は、このエアコンフィルターそのものにニオイが付いてしまっていることもありますので、そのような場合はこのタイミングで交換しておくのがいいでしょう。
最後に一言
今回は、【風が生臭い】車のエアコンのエバポレーターを自分で洗浄する方法についてお話しました。
エバポレーター洗浄は2年に一度(車検など)のタイミングで実施すれば、エバポレーターにカビの発生原因となるホコリなどの汚れがほとんど溜らないため、エアコンから生臭い風が出てきて嫌な思いをすることがなくなります。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!