ホイールスペーサーなどを使って、もう少しホイールを外側に出したいという場合、純正のハブボルトのままではナットがボルトに数山しか掛からず、ホイール脱落の危険性が増えてしまいます。
そんなときに活躍するのがロングハブボルトです。
純正ハブボルトより、ホイールスペーサーの厚みだけ長いロングハブボルトを使えば、純正と同じ量のナットを締付けることができます。
そこで今回は、純正のハブボルトをロングハブボルトに交換する方法について、詳しくお話していきます。
ハブボルト交換に必要な物
まずはじめに、ハブボルトを交換するために必要な物についてまとめておきます。
ロングハブボルト
ハブボルトとは、車体側のハブに付いているボルトのこと。
ホイールとハブの間にホイールスペーサーを挟んでホイールナットを締付けようとすると、ホイールスペーサーを挟む前よりも、ホイールナットがホイールボルトにかかる部分が短くなって(ホイールナットで締付けられる回転数が減る)しまいます。
実際に、ホイールスペーサーの注意書きにも「ナットのネジ山が10mm以上締まらない場合は取付しないでください。」と書かれています。
ホイールスペーサーを取り付けてみると分かりますが、我が家のエルグランドの場合、5mmのホイールスペーサーを取り付けてしまうと、ナットが3~4回転程度しか回らず、ハブボルトのピッチ(ボルトのねじ山の間隔のこと)が約1.2mmということを考えると、純正のハブボルトのままでは、ねじ山が約3.6~4.8mmしか掛かっていないことになってしまいます。
この状態で走行すると、ホイールナットの緩みが激しくなり、最悪の場合ホイールが脱輪してしまう可能性も十分考えられます。
ここで登場するのがロングハブボルトです。
純正のハブボルトを取り外し、このロングハブボルトに交換すれば、今までと同じようにホイールナットをしっかりと取り付けることができるようになります。
ロングハブボルトはネットショップなどで購入することができます。
例えば、5mmのホイールスペーサーを導入する場合、純正よりも5mm長いロングハブボルトを購入すれば、ホイールとハブの間にホイールスペーサーを取り付けた後も、以前と同じだけナットを締付けることができるようになります。
ホイールスペーサーなどを取り付ける場合は、そのスペーサーの厚み分だけ純正より長いロングハブボルトも一緒に交換しておきましょう。
工具類
今回の作業では、まずホイールを取り外すために必要な工具(ジャッキやトルクレンチなど)が必要になります。
その他に、ブレーキキャリパーなどを取り外す際に14mmと19mmのメガネレンチ(エルグランドの場合)や、ハブを抜き取るために大き目のハンマー、ハブを取り付ける際に大き目のワッシャーなどが必要となります。
ざっくりとこれらの道具があれば、ホイールスペーサーの取り付けから、ロングハブボルトへの交換まで行うことができます。
ハブボルトの具体的な交換手順
ここからは、ハブボルトの具体的な交換手順についてお話していきます。
ホイールを取り外す
まずはじめに、車をジャッキアップして、今ついているホイールを取り外しておきましょう。
ちなみに今回は、フロント側の写真を撮り忘れたため、リア側のハブボルトで交換作業の内容を紹介していきますね。
ブレーキキャリパーなどを取り外す
次は、ブレーキ周りのパーツを取り外していきます。
まず、ブレーキキャリパーを固定しているボルトをメガネレンチ(14mm)で外します。
こんな感じでブレーキキャリパーが外れたら、マウンティングブラケットを固定しているボルトをメガネレンチ(19mm)で取り外していきましょう。
マウンティングブラケットを固定しているボルトはかなり強く締付けられているので、緩めるのが大変かもしれませんが、頑張ってくださいね(汗)
ブレーキローターを取り外す
次はブレーキローターを取り外してきましょう。
ブレーキローターは特に何かで固定されているわけではありませんので、こんな感じでローターの端っこをグイグイと押したり引いたりしていれば、自然と外れてきます。
純正のハブボルトを取り外す
さぁ、いよいよハブボルトの取り外しです。
ハブボルトはハブに圧乳されていますので、ハンマーなどを使って叩きながら取り外していきましょう。
ここでの注意点は、ハブボルトを強い力で叩きすぎると、ベアリングを痛める可能性があるので、ハンマーの惰性で叩くといった感じでハブボルトを抜き取ることです。
その点に注意しながら、こんな感じで全てのハブボルトを抜き取っておきましょう。
純正ハブボルトの取り外しが終わったら、次はロングハブボルトの取付です。
ロングハブボルトを取り付ける
次は、事前に購入しておいたロングハブボルトを取り付けていきます。
まずはこんな感じで、手で挿入できるところまでロングハブボルトを取り付けていきます。
ここからロングハブボルトを圧入していくわけなのですが、その際に使うのがこのようなワッシャーです。
このワッシャーを以下のような感じで取り付け、ホイールナットをトルクレンチで締付けていきます。
すると、こんな感じでハブボルトを圧入することができます。
この手順で全てのハブボルトを圧入します。
後は、先ほどまでと逆の手順でブレーキ周りを組み立てていきましょう。
ホイールスペーサーとセンターハブリングを取り付ける
次はホイールスペーサーとセンターハブリングをこんな感じで取り付けていきます。
ホイールスペーサーやセンターハブリングには、表と裏がありますので、その辺りは説明書を読みながら間違えないように取り付けましょう。
ホイールを取り付ける
後はタイヤ交換の要領で、トルクレンチを使って規定トルクまでしっかりとナットを締付けていきます。
ここで注意点は、ハブボルトを取り付けた直後は非常にナットが緩みやすくなっているので、低速で家の周りを軽~く一周した後に、もう一度ナットをトルクレンチで締め付けておきましょう。
その後も、ホイールスペーサーを付けている場合は、付けていない場合よりもナットが緩みやすくなりますので、定期的なナットの締め付け確認を行うようにしてください。
お疲れ様でした。
これでロングハブボルトの取り付けは完了です。
最後に一言
今回は、【保存版】ロングハブボルトを自分で交換する方法についてお話しました。
ホイールスペーサーは、単にそれを取り付けるだけだとハブボルトの長さが足りなくなり、ナットがきちんと締めることができなくなってしまいますが、今回紹介したようにロングハブボルトを活用すれば、その弱点を改善することができます。
ホイールスペーサーなどを取り付けてホイールを外側に出したい場合は、ぜひこの内容を参考にしてみてくださいね。
それでは!