自動車のオイル交換を自分でしたことがない人にとって、車のオイル交換は「ショップやディーラーなどでしてもらうもの」と思いがちですが、全然そんなことはありません。
車のオイル交換は、初心者でも簡単に交換する事が出来ますし、自分でオイル交換する事によって費用も安く済ませることが出来ます。
ただ、初めてオイル交換をする場合、よく分からなくて困ってしまうことといえば・・・
- 資格を持っていない私がオイル交換してもいいの?
- オイル交換するためには、どのような工具が必要なの?
- どれぐらいのタイミングでオイル交換していけばいいの?
- 安いオイルを入れてもOKなのか?
- 具体的にどうやってオイル交換をすればいいの?
などなど、分からないことがたくさんあるから、自分でオイル交換をすることに踏み切れない、決断できないのではないでしょうか?
そこで今回は、車のオイル交換に関する知識やノウハウから、車のオイル交換の具体的な方法まで、初心者にも分かりやすいように詳しく説明していきたいと思います。
素人がオイル交換してもいいのか?
まずはじめにお話しておきたいことは、「素人が勝手にオイル交換してもいいのか?」ということについてです。
結論から言うと、自分の車であれば素人でもオイル交換(軽整備にあたる)をしてもOKです。
もっと言うと、自分の車であれば重要保安部品の整備も資格無しの素人でも行うことができます。
重要保安部品以外の軽整備ですと誰でもできます。ちなみにブレーキやクラッチなどの保安部品は自分の車は整備士の免許が無くても自己責任でイジれますが人の車はできません。仮にやると処罰されます。 軽整備はオイル交換、クーラント交換、タイヤ交換、パンク修理などが主です。
これは責任問題の話で、基本的には自分が所有する車が何らかのトラブルで事故を起こした場合、誰が責任を取るべきかということを考えてみる分かりやすいでしょう。
例えば、素人が適当な知識で他人(親や友人、知人など)の車のブレーキ(重要保安部品)の整備をしてしまい、仮にその車が事故を起こしてしまうと、誰が責任を取るべきか相当もめることになると思います。
そうならないためにも、車の所有者以外の人が車の重要保安部品を分解整備するためには、自動車整備士という資格を持っていないといけませんというルールができました。
ちなみに、重要保安部品がどれに当たるかというのは、こちらが参考になると思います。
第三条 法第四十九条第二項 の分解整備とは、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 原動機を取り外して行う自動車の整備又は改造
二 動力伝達装置のクラッチ(二輪の小型自動車のクラッチを除く。)、トランスミッション、プロペラ・シャフト又はデファレンシャルを取り外して行う自動車の整備又は改造
三 走行装置のフロント・アクスル、前輪独立懸架装置(ストラットを除く。)又はリア・アクスル・シャフトを取り外して行う自動車(二輪の小型自動車を除く。)の整備又は改造
四 かじ取り装置のギヤ・ボックス、リンク装置の連結部又はかじ取りホークを取り外して行う自動車の整備又は改造
五 制動装置のマスタ・シリンダ、バルブ類、ホース、パイプ、倍力装置、ブレーキ・チャンバ、ブレーキ・ドラム(二輪の小型自動車のブレーキ・ドラムを除く。)若しくはディスク・ブレーキのキャリパを取り外し、又は二輪の小型自動車のブレーキ・ライニングを交換するためにブレーキ・シューを取り外して行う自動車の整備又は改造
六 緩衝装置のシャシばね(コイルばね及びトーションバー・スプリングを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造
七 けん引自動車又は被けん引自動車の連結装置(トレーラ・ヒッチ及びボール・カプラを除く。)を取り外して行う自動車の整備又は改造引用)道路運送車輌法施工規則より抜粋
逆に言うと、これらの重要保安部品の分解整備に該当しなければ、他人の車でも整備してOKということになります。
ガソリンスタンドで資格を持っていないようなバイトでも、オイル交換や空気圧調整といった軽整備をしても良いという根拠はここにあります。
ちょっと長くなってしまいましたが、「自分の車を自分で整備する」という今回のオイル交換(軽整備)のようなケースでは、「責任を持って作業することができる」のであれば自分で行っても全然OKです。
ちなみに、重要保安部品などの分解整備も、自分の車であれば行ってもOKですし、そうやって車屋さんにお世話にならずに車のメンテナンスを行い、ユーザー車検で車検を通している人も結構います。
まずはオイル交換のような軽整備から始めていって、徐々にレベルの高い整備まで自分でできるようになっていくというのが、自動車にかかる費用を安く抑えていくコツと言えますね。
オイル交換に必要な7つのもの
最もシンプルで、かつ安くオイル交換を済ませるために時に必要なものはこちらです。
- エンジンオイル(一番安いものでOK、種類が分からなければホームセンターの人に聞くと良い。)
- オイル交換処理パック(廃油を可燃ごみとして出せる優れものです。)
- 14mmのメガネレンチ
- シート(地面に寝転ぶ時に汚れないようにするため)
- ジャッキ(車に備え付きのもの)
- 軍手
- ボロ布など
オイル交換には、下抜きと上抜きの二種類の方法がありますが、今回紹介する方法は、下抜きでオイル交換する方法です。
どうして下抜きを紹介するかというと、下抜きの場合、上抜きで必要なオイルチェンジャー(5000円程度)が不要なため、安くオイル交換できるからです。
ちなみに、上抜きでオイル交換したい場合は、こちらの記事が参考になると思います。
そして、初めてオイル交換する時にわからないことと言えば、「いったいどのオイルを入れればいいのか?」ということですよね。
オイルを選ぶ基準は以下の3つを確認しておけばOK。
- オイルの品質(SNなど)
- オイルの粘度(10W-30など)
- オイルの量(3.9Lなど)
メーカーは車種ごとにオイルの品質や粘度、交換量を指定していますので、それに合ったエンジンオイルを購入していきましょう。
粘度やオイル用の具体的な調べ方は、ネットなどで「ノア(車種名) オイル 粘度 量」で検索してみてください。
だいたい自動車メーカーのサイトがでてきますので、その中にオイルの品質(SNなd)や粘度(0W-20など)と、交換する時に必要となる油量が書かれています。
本来であればそれと同じオイルを購入するのですが、最近の車は燃費を高めるために、高価な粘度の低いオイルを推奨にして燃費を稼いでいる場合が多くなってきています。
私の場合、推奨の粘度は0W-20(低燃費オイル)なのですが、実際はホームセンターに売っている一番値段の安い10W-30(一般的な粘度)を10年以上使い続けています。
もちろん、それで車のエンジンが壊れたりしたことはありません。
それぐらいの粘度の違いであれば若干燃費が悪くなる(約3~5%)だけですので、燃費よりもコストだって人はそういう感じでオイルを選んでもいいと思います。
エンジンオイルのことについてもっと詳しく勉強したいという人は、こちらのサイトが参考になると思います。
エンジンオイルには、性能を表すいくつかの表示があります。その中で重要なのが粘度とグレードで、クルマや使い方に合った粘度とグレードのオイルの使用を推奨しています。
オイルの粘度は、SAE(アメリカ自動車技術者協会)の分類によって「10W-30」「0W-20」などと表されます。読み方は、まず前半の数字が小さいほど低温で固まりにくい特性があります。0Wなら零下35℃、5Wは零下30℃、10Wは零下25℃に対応しています。WはWinter(冬)の略で、10Wよりも5Wのほうがエンジン始動時における負荷が小さく、燃費も良くなります。後半の数字は、高温時の粘度を表していて数字が高いほどオイルが固くなります」。
クルマの使い方に応じてエンジンオイルを選ぶことも大切です。高出力のスポーツカーやターボエンジン搭載車は5W-40などのオイルを、小排気量のクルマや日常走行が中心であれば、0W-20、5W-20といったオイルを使用すると燃費数値は良くなる傾向にあります。
オイル交換の具体的な方法
それでは、具体的なオイル交換の方法について詳しく説明していきます。
オイルの抜き取り
まずは、車に備え付けられているジャッキを使って車を持ち上げて、車と地上との間に隙間を作ります。
ここで大切なポイントが一つあります。
ジャッキが外れた時に車の下に挟まれないように、使い古しのホイールなどを車の下に置いておくこと。
これを忘れると万が一、ジャッキが壊れたり外れたりした時に車の下敷きになって大変なことになってしまいますので、忘れずにやっておきましょう。
次に、車の下にもぐりこみ、オイル処理パックをドレンボルトの下に置きます。
14mmのメガネスパナでドレンボルトを取り外すと、オイルがオイルパンから流れ出てきますので、そのまま10分ほど放置してください。
オイルが出てこなくなったら、ドレンボルトをしっかりと閉めなおして、ジャッキを取り外します。
これでオイルの抜き取りは完了です。
オイルの補充
まずボンネットを開けると黒色のオイルキャップが見えますので、それを取り外し、そこにエンジンオイルを流し込んでいきましょう。
規定量(車の説明書に記載有)の7割ぐらい入れたぐらいから、黄色のレベルゲージでオイルの量をチェックしていきます。
レベルゲージのF(Full)とL(Low)の間にオイルの油面があれば、オイルは規定量入っているということが確認できます。
Lよりも油面が低ければ更にオイルを入れていき、これを何度か繰り返して、FとLの間に油面がある状態にしていきましょう。
後はオイルキャップを閉め、ボンネットを閉めれば、これでオイル交換は完了です。
オイル交換の適切な時期について
これは余談ですが、オイル交換をし始めると、どのようなタイミングでオイル交換をすればいいのか気になりはじめます。
このことについては、まず、メーカーのサイト(「トヨタ ノア オイル交換 時期」で検索)で推奨の交換時期を調べてください。
それに従っていればOKです。
一部の自動車修理工場やカー用品店などでは3000kmとか、5000kmや季節ごとには交換したほうがイイとか言ってくるところもありますが、そんなに頻繁にオイル交換しても、あまり意味がないと思います。
ただし、「サーキットで高回転走行するので絶対に油膜切れを起こしたくない!」とか、「エンジン内部に溜まるスラッジなどを極力少なくしたい!」、「走行距離が30~50万km以上になるまで、エンジンを載せ買えずに乗りつづけたい!」というような場合は、この限りではありません。
ただし、10万キロを超えて過走行になってくると、エンジン内部の部品が磨耗して徐々にオイルの減りが早くなってくることがありますので、そのような状況の場合は車のメーターについている「オイルランプ」を少し気にするようにしておきましょう。
急発進やブレーキ中、カーブなどでオイルランプが点くようでしたら、その時点でオイルを継ぎ足すなど、適切な処置を施してあげましょう。
その辺りの内容については、こちらの記事が参考になると思います。
>>オイルランプが点灯(点滅)した時に確認すべき3つのポイント
最後に一言
今回は、車のオイルを自分で交換する最もシンプルな方法についてお話しました。
車のオイル交換は、車のメンテナンスの基本です。
なんとなく車は高価なので素人がやっちゃいけないみたいに思いがちですが、そんなことは全くありません。
ちゃんとジャッキで車を持ち上げた後に、ホイールなどをかましておいて安全を確保することだけ忘れなければ、オイル交換自体は思っているより簡単な作業です。
また、車を持ち上げて下にもぐりこむなんて危なくてやりたくないよって場合は、オイルチェンジャーと呼ばれるグッズを使えば、ジャッキで車を持ち上げずともオイル交換をすることができますので、そちらの方法を検討してみましょう。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!