日本製のタイヤの半額以下の価格で購入できるKENDA(ケンダ、台湾製)のタイヤ・・・。
約3年ほど前に、タイヤ代節約のため激安アジアンタイヤであるケンダタイヤを購入してみました。
日本製のタイヤから安いアジアンタイヤに変える際、勝手に「安かろう、悪かろう」と思っていたのですが、実際のところ、普段使いならアジアンタイヤもそこそこなのではないかという印象です。
ただし、耐久性という面で日本製のものとは異なる形で寿命が来た(カーカス切れ)という点において、少し考慮しておくべき事があることも事実です。
そこで今回は、みなさんが気になっているこのケンダタイヤの実際の性能や耐久性について、残り溝の測定やゴムの硬度測定、タイヤ表面のヒビ割れの状態という視点も含めて、詳しくお話していきます。
タイヤの性能について
今回調査したタイヤは、ケンダタイヤのKR30(VEZDA ECO)という種類のものです。
このタイヤをエルグランド(E51)に装着して、約3年ほど使用してみました。
まず、ケンダタイヤを装着してすぐに気がついたことは、40~60km/hぐらいの速度域で、若干ロードノイズが大きめという点です。
スタッドレスタイヤほどうるさいという感じではないのですが、日本製のタイヤに比べて若干ロードノイズが大きいという印象です。
ただし、高速道路など60km/h以上の場所では日本性のタイヤと同じぐらいのロードノイズという感じだったので、高速道路上では逆に思っていた以上に静かだなぁという印象です。
グリップ力(ウェット時も含む)については、一般道や高速道路を普通に走っている状態では日本製のタイヤとの違いを感じるような場面(ウェット路面でスリップしてしまう、高速走行時にフラフラするなど)はありませんでした。
ケンダタイヤのタイヤバランスについて
タイヤのバランスが悪いと、高速走行時などにタイヤが上下左右に振動してしまい、ハンドルがブルブル震えるなどといった症状が発生します。
格安タイヤの中にはタイヤそのものの重量バランスが極端に悪い物もあり、タイヤバランスをとるためにおもりを大量に取り付けなければならなかったりするものもあります。
今回紹介しているケンダタイヤのタイヤバランスを調整するために取り付けられたおもりの量は以下の通りでした。
No. | in[g] | out[g] |
1 | 40 | 60 |
2 | 30 | 55 |
今回タイヤを取り付けたホイールはアルミホイールなので、取り付け位置の関係上、鉄チンホイールよりカウンターウェイト(おもりのこと)をたくさんつけなければなりません。
また、この取り付けられた重りの量は、タイヤだけではなくホイールの重量バランスの偏りも含めた形になっていたりするため、あくまでも参考程度の数値と言えます。
それらのことを考慮すると、国産タイヤでもこの程度の重りが貼り付けられているタイヤはたくさんありますので、私が購入した2本のタイヤに限って言えば、特に目立ってタイヤの製造精度が悪いということはありませんでした。
タイヤの耐久性について
ここからは、ケンダタイヤを継続して使用したときのタイヤの耐久性について、残り溝の測定とゴムの硬さなどを測定してみた結果にしてお話していきます。
2年間使用後(3.5万キロ走行後)
新品時の溝深さ7.4mm(参照元;TECHNICAL SPECS KR30 VEZDA ECO|KENDA)に対して、約2年間で3.5万キロ走行後の残り溝は約5.5mmでした。
車重が2トン近くあるエルグランドに装着していたので、もっと減っている(残り溝がなくなっている)と思っていたのですが、予想以上に溝が残っていました。
タイヤの溝は1.6mm以下(スリップサインが出る状態)になると交換が必要となりますので、タイヤ溝だけで評価するとあと3~4年は使えそうな感じです。
ただ、タイヤの表面の状態をよくよく観察してみると、サイド側はシワやヒビ割れもなくきれいなのですが、タイヤの溝の奥側に小さなヒビ割れが出始めていました。
現状のヒビ割れは2~3のレベルという感じなのでまだもう少しは使用可能ですが、今後このヒビ割れに注意を払いながら使用しなければならないという状態です。
約2年でタイヤにヒビ割れが出てくるというのは、日本製のタイヤと比べて若干早めという印象ではありますが、あと1~2年程は使っていけそうかなぁというレベルです。
また、タイヤのゴム硬度については硬度計を使って測定した結果、約70という数値を示していました。
新品の夏タイヤのゴム硬度はだいたい65前後と言われていますので、若干ゴム質が固くなってきている傾向は認められますが、まだまだ使っていけそうなレベルです。
これらの検証結果をまとめると、私のタイヤの使い方(年間走行距離約1.5万キロ)では、ケンダタイヤ(KR30)の耐久性は約3~4年という感じになりそうです。
3年間使用後(約4.5万キロ走行後)
3年間(約4.5万キロ走行後)のタイヤの残り溝は3.4mmになりました。
タイヤの硬度は約77と去年(硬度約70)より結構固くなってきてしまっていることがわかります。
実は、使い始めてから3年目のこのタイミングでこのタイヤに異常が見つかりました。
走行中にブルブルとした振動が発生し始め、はじめのうちはなんだろうと思っていたのですが、その振動が日に日に大きくなってきたので、その原因を突き止めるためにタイヤを取り外してみました。
すると、下図のような感じでタイヤが異常に片減りしてしまっていて、タイヤ内部にある金属製のワイヤーが出てきてしまっていたのです。
また、金属ワイヤーが切れてしまったことによってタイヤのトレッド面にかなりの凹凸もできてしまっていました。
これが車内に伝わってきた振動の原因だったのでしょう。
もう一本のタイヤの方も確認してみたところ、こちらは金属ワイヤーが出てきてはいなかったものの、トレッド面を手で撫でてみると以前はなかったような凸(直径10cm、高さ数ミリ程度)が1箇所できていました。
購入してから2年間は何事もなく、普通の日本製のエコタイヤと同じように使えてきましたが、私のような使い方(車重が重たく馬力のあるミニバンのエルグランドで軽トレーラーを牽引するといったような、タイヤには負荷がかかる使い方)をするような場合、3年目ぐらいでタイヤの寿命が来ることがわかりました。
ただ、一般的なミニバンやコンパクトカーで使用した場合、このようなことにはならず、タイヤの残り溝がなくなって交換時期がくるのだと思いますので、このあたりのことについては、ユーザーがどのような使い方をするのかで結果が変わってくるのだと思います。
最後に一言
今回は、KENDA(ケンダ)タイヤの評判は?性能と耐久性を追跡調査した結果についてお話しました。
ケンダタイヤ(台湾)の創業は1962年で、創業以来、自転車や農耕車、ゴルフカート、フォークリフト等建設機械用タイヤなど自動車だけでなく幅広い用途のタイヤを生産し、現在ではアジア、北米、ヨーロッパ、中東、南米、アフリカなど世界150ヶ国以上で流通しているような実績のあるタイヤメーカーです。
ただ、日本製のタイヤ(残り溝がなくなるか、ひび割れがひどくなってきて交換時期となる)とは違って、格安のアジアンタイヤの場合はタイヤの構造体である金属ワイヤーが切れて最後を迎える(壊れ方をする)ということもあります。
このタイヤに関しては壊れ方に少し癖があったので、ある程度タイヤに関して知識のある人向けのタイヤなのかもしれません。
このように、アジアンタイヤを購入する際に気をつけなければならないこととしては、製品品質に多少のばらつきがあるということ知っておかなければなりません。
アジアンタイヤはタイヤの製造が海外で行われているため、製品品質に若干のばらつきがある、もう少し詳しく言うと合格品とNG品の判定基準が若干あまい傾向があります。
日本で生産されたタイヤは、真円度や重量バランスなど、とにかく品質を安定させる為に製造段階だけではなく、製品チェックも厳し目に行われています。
でも、アジアンタイヤはやはり少し製品品質にばらつきがあり(そのおかげで価格は安いのですが・・・)、その事を承知の上で購入する必要があると思います。
是非参考にしてみてくださいね。
それでは!